今回は、もう一つの方法として、題材のうまい部分を抽出したりアピールすることで、題材の領域をシフトさせるという手法について話したいと思います。
例えば『バイオハザード』。
いまでこそ、総合的なホラーアクションになりつつありますが、1作目はゾンビを前面に押し出した、まさにゾンビアクションアドベンチャーゲームでした。
『バイオハザード』は特定のゾンビ映画を原作にしたゲームではありません。しかしながら、ゾンビの潜む館で生き残りをかけるサバイバルホラーの設定から、ゾンビ映画をイメージした人は多かったと思います。
つまり、『バイオハザード』は、もっとも不利なE(オリジナルフィクション)の領域を、2番目に有利なDの領域に事実上シフトさせることに成功させているのです。
ウルトラマンなどの特撮モノをイメージさせる『地球防衛軍』や、ちょっと古いですが映画『トラック野郎』をイメージさせる『デコトラ伝説』などもこのパターンに入るでしょう。
ただ、この手法もやりすぎると危険な場合が出てきます。
ゾンビの例でいえば、以前あるゲームが特定のゾンビ映画をイメージさせ著作権を侵害しているということで裁判になりました。
最終的にはゲームは映画の権利を侵害していないという判決になったのですが、イメージさせる題材は、こういった事態が発生する危険性は常につきまといます。
そういった点も念頭に置いて題材の選択や、アレンジ方法をしっかり考える必要があるかと思います。
※次回更新は2014/03/21(金)の予定です!