2014年2月3日月曜日

【第15回】仕様概要書のような企画書ができるわけ

ゲームのおもしろさを一言で伝えるのがとても難しいということは、ゲーム企画で問題解決を提案するのも難しいということです。

以前、コンビニコーヒーの例を挙げましたが、こういった目に見える具体的、物理的な利便性に対して、ゲームが与えてくれる「おもしろさ」は心理的なメリットであるがゆえに提示しにくいのです。

パチンコが大好きでTVゲームをしない知人が昔、
「なんで1円の得にもならないTVゲームなんかをみんなやるのか理解できない」
と言っていましたが、彼にとっては「ゲーム=お金稼ぎ」であり、TVゲームは同じような目に見えるメリットが提示されないからこそ理解できない訳です。

ここにゲーム企画をする際の大きな落とし穴があります。
プランナーを目指している多くの学生さんは、おそらくゲームが大好きだと思います。
それゆえに、ゲームの与えてくれる楽しさを「感覚的に」理解しています。

そのため、自分たちが企画を考える際も、頭の中でなんとなく楽しさが理解できてしまう訳です。
そして、この楽しさを分かってもらうためには、ゲームの仕様を詳しく書きさえすればいい。そうすれば、他の人も頭の中で楽しさを疑似体験して分かってもらえる、と勘違いしてしまう。
学生のダメな企画書の代表例の1つ、「企画書というより仕様概要書みたい」のできあがりです。

しかしながら、それは楽しさを「具体化」「客観化」「論理化」できていないため、他の人には伝わりにくい。それは、同じゲームユーザーやゲーム業界の人間であっても同じなのです。
遊んだことのないジャンルで考えるとわかりやすいと思います。ゲームが好きだけど、シューティングゲームやストラテジーゲームをやったことのない人間は、それらのゲームの楽しさを遊ばずに理解することは難しいのです。

※次回更新は2014/02/05(水)の予定です!