2014年2月5日水曜日

【第16回】「おもしろそう」を裏切るな

ここまでの流れでわかった人も多いと思いますが、実は「おもしろそう」はゲームにおいて、一番伝えやすい問題解決提案の方法なのです。
「おもしろそう」と思うということは、その人の「期待」の解決策を、少なくとも遊ぶ前から提案できているからです。
「おもしろい」が伝えにくいのであれば、「おもしろそう」が問題解決の提案につながっていればいいのです。

ただ、大切なのは「おもしろそう」の期待を裏切らないことです。
皆さんも「買う前はあんなにおもしろそうだと思って買ったのに、やってみたらおもしろくなかった」ゲームの1つや2つ、経験があるでしょう。
「おもしろそう」は必ずしも「おもしろい」ではないのです。

たしかに「おもしろそう」はその製品の売上げを(特に発売直後は)押し上げます。
しかしながら、「おもしろい」はその製品やメーカーのブランドイメージを押し上げます。
ブランドイメージが上がるということは、長期的な売上げにつながってくるということです。
だからこそ「おもしろそう」が「おもしろい」に直結することは大切なのです。

また、「おもしろそうと直結するおもしろさ」がきちんと実現された上で、「やってみたらここもおもしろい」があるのはまったく問題ありません。感動的なストーリーなどはその最たる例でしょう。
期待に応えるおもしろさと、いい意味で期待していなかったおもしろさの両輪があるゲームは、ユーザーに強いインパクトを与えることができます。

ただし、「やってみたらここもおもしろい」は、企画においてはアピールポイントにならないことに注意してください。
ゲーム企画書の特長ページに、よく「感動的なストーリー」を上げる人がいますが(恥ずかしながら石川も昔書いたことがあります)、それは何ら響く言葉でないのです。

※次回更新は2014/02/07(金)の予定です!