2014年1月13日月曜日

【第6回】「よい企画書」は「よい企画」である必要はない?

前回は「よい企画」について話ました。
では「よい企画書」とは何でしょうか。
それは「企画書は何の目的で書かれるのか?」を考えれば分かります。
端的に言えば、企画書の目的は「説得」です。

企画の「問題解決」にかかるコストを差し引いても、提案相手(会社の上司だったり、パブリッシャーだったり)にとって利益になる(多くの場合は金銭的な)ということの「説得」が企画書の目的なのです。
わかりやすく言えば、「このゲーム企画を通してくれれば、かかる経費を差し引いてもあなたの利益になりますから、当面の時間とお金を出してください」と説得するためのツールが企画書ということです。

ということは、極端な話、企画の問題解決そのものがまるで実現性のないものや的外れなものであっても、説得に成功しさえすれば、企画書としての目標は達成されたことになります。
実際、TVゲームがバブルだった頃(ファミコンやスーパーファミコンの全盛期)にはたくさんの異業種がパブリッシャーに参入したため、実現性のない企画や問題のある企画であっても判断する人が目利することができず、もっともらしい企画書にだまされたという例もあったようです。

ですが、もちろん学生さんたちはこのようなことを考えてはいけません。
きちんと「よい企画」を考え、それを「よい企画書」に仕上げてください。
ただ、「企画=問題解決」「企画書=説得」という違いがあり、それぞれで要求される内容や技術は異なるのだということはしっかりと頭に焼き付けてほしいと思います。

※次回更新は2014/01/15(水)の予定です!